片頭痛について
片頭痛は、単なる「頭痛持ち」ではありません。 頭痛だけでなく、吐き気、光や音への過敏などを伴い、 仕事や学校、家事など日常生活に大きな影響を与えることがあります。
片頭痛の治療には、発作が起きたときの治療だけでなく、 頭痛の頻度や生活への影響が大きい場合には 発作を減らすための予防治療(発症抑制治療)があります。
当院では、従来の治療薬に加えて、 CGRP関連抗体薬や経口CGRP受容体拮抗薬(ゲパント)など、 新しい選択肢も含めて一人ひとりに合った治療を検討します。
もしかして、その頭痛は片頭痛?
片頭痛では、次のような症状がみられることがあります。
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🤕 ズキズキする頭痛 脈打つように痛むことがあります |
🤢 吐き気・嘔吐 頭痛とともに吐き気を伴うことがあります |
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☀️ 光がつらい 明るい場所や光をまぶしく感じます |
🔊 音がつらい 普段は気にならない音がつらく感じます |
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🚶 動くと悪化 歩行や階段など日常動作で痛みが悪化します |
📅 繰り返す 月に何度も頭痛を繰り返します |
※すべての症状がそろうわけではありません。 片側だけでなく両側が痛むことや、ズキズキしない片頭痛もあります。
頭痛の中には、脳出血、くも膜下出血、脳血管障害、髄膜炎など、 緊急性の高い病気が隠れていることがあります。
● 今まで経験したことのない強い頭痛
● 手足のしびれ・麻痺、言葉が出にくい
● 意識がおかしい、けいれんを伴う
● 視野や見え方に急な異常がある
● 高熱や強い首の痛み・こわばりを伴う
● 頭を強くぶつけた後の頭痛
● 妊娠中・産後に生じた強い頭痛
このような場合は、通常の片頭痛と思い込まず、速やかに医療機関を受診してください。
片頭痛の診断
片頭痛の診断では、頭痛の場所だけではなく、 痛み方、持続時間、頻度、吐き気、光・音への過敏、日常生活への影響 などを詳しく確認します。
また、これまでと異なる頭痛や神経症状を伴う場合などには、 片頭痛以外の病気が隠れていないかを考えることが重要です。 必要に応じて画像検査が可能な医療機関へご紹介します。
キラキラした光が見える ― 片頭痛の前兆
片頭痛の一部では、頭痛が始まる前に 視界にギザギザ・キラキラした光が見える、視野の一部が見えにくくなる などの前兆がみられることがあります。
一方、片頭痛の多くは前兆を伴いません。 また、初めて起きた視覚症状や、いつもと違う神経症状がある場合には、 他の病気との鑑別が必要になることがあります。
💊 発作が起きたときの治療(急性期治療)
発作時の治療では、頭痛や吐き気をできるだけ早く改善し、 日常生活への影響を少なくすることを目指します。
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NSAIDsなど 軽度~中等度の片頭痛などで使用されます。 症状や既往歴などを考慮して使用します。 |
トリプタン製剤 片頭痛に特異的に作用する薬です。 頭痛の程度や既往歴などを考慮して使用します。 |
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ナルティーク®(リメゲパント) CGRP受容体を阻害する経口CGRP受容体拮抗薬(ゲパント)です。 片頭痛発作の急性期治療に使用できる新しい選択肢です。 これまでの治療効果や患者さんの状態などを考慮して使用を検討します。 |
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🛡️ 頭痛を減らすための治療(予防治療)
頭痛の頻度が多い場合や、頭痛によって仕事・学校・家事などの日常生活に大きな影響がある場合には、 発作が起きたときだけ治療するのではなく、 片頭痛発作そのものを減らすための予防治療を検討します。
予防治療の目標は、頭痛を完全になくすことだけではありません。 頭痛の日数や程度を減らし、日常生活への影響を小さくすることが大切です。
β遮断薬、抗てんかん薬、カルシウム拮抗薬など、 以前から使用されている予防薬があります。 頭痛の頻度やタイプ、年齢、合併症などを考慮して薬剤を選択します。
CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)は、 片頭痛の発症に重要な役割を持つ物質の一つです。
現在はCGRPやその受容体を標的とした治療薬が使用できるようになり、 片頭痛の治療選択肢が広がっています。
💉 CGRP関連抗体薬(注射)
片頭痛発作の発症を抑えるための注射薬です。 当院でも適応を確認したうえで治療を行っています。
| アジョビ® (フレマネズマブ) |
| エムガルティ® (ガルカネズマブ) |
| アイモビーグ® (エレヌマブ) |
CGRP関連抗体薬は、片頭痛の頻度やこれまでの治療歴などを確認し、 適応を判断したうえで使用します。
💊 飲み薬によるCGRP関連治療 ― ナルティーク®
ナルティーク®OD錠75mg(リメゲパント)は、 CGRP受容体を阻害する飲み薬です。
特徴は、片頭痛発作が起きたときの急性期治療と、 片頭痛発作を減らすための発症抑制治療の両方に使用できることです。
発症抑制では通常、成人に75mgを隔日で使用します。 症状やこれまでの治療、併用薬などを確認したうえで処方を検討します。
💊 頭痛薬の使いすぎにも注意が必要です
頭痛が頻繁に起こるために鎮痛薬などを繰り返し使用していると、 かえって頭痛が慢性化する 「薬剤の使用過多による頭痛」 が起こることがあります。
「頭痛薬を飲む日が増えてきた」 「以前より薬が効きにくくなった」 「ほぼ毎週のように頭痛薬を使っている」 という場合には、一度治療方法を見直すことが大切です。
📓 頭痛ダイアリーをつけてみましょう
片頭痛では、頭痛の頻度や薬の効果を把握するために 頭痛ダイアリーが役立ちます。
🤕 痛みの強さ
⏰ 頭痛が続いた時間
💊 使用した薬と効果
🤢 吐き気・光過敏・音過敏などの症状
🏠 仕事・学校・家事など生活への影響
記録を続けることで、治療前後の変化がわかりやすくなり、 予防治療の効果判定や薬の調整にも役立ちます。
☕ 生活習慣や誘因について
片頭痛は、睡眠不足や睡眠リズムの変化、空腹、ストレス、 疲労などをきっかけに起こることがあります。
ただし、誘因は人によって異なります。 あらゆる食べ物や行動を過度に制限するのではなく、 頭痛ダイアリーなどを利用して 自分にとっての誘因を知ることが大切です。
当院では、頭痛の症状や頻度だけでなく、 生活への影響、既往歴、現在使用している薬などを確認しながら、 一人ひとりに合った治療を考えます。
発作時の治療に加えて、必要に応じて予防治療を行い、 CGRP関連抗体薬や経口CGRP受容体拮抗薬を含めた治療にも対応しています。
また、診察の結果、画像検査や神経内科・脳神経外科などでの 専門的な評価が必要と判断した場合には、適切な医療機関へご紹介します。
「頭痛くらいで受診していいのかな」と我慢している方も少なくありません。 しかし片頭痛は、適切に診断し治療することで、 頭痛の日数や日常生活への影響を減らせる可能性があります。
頭痛を繰り返している方、頭痛薬を使う日が増えている方、 これまでの治療で十分な効果が得られていない方も、お気軽にご相談ください。
